
概要
アルコニックス株式会社様のパーパス・ビジョン浸透プロジェクトにおいて、インナーブランディング施策の企画・制作を支援しました。2025年に策定されたパーパス「どこかにいる、だれかの未来のために」とビジョン「ヒトをつなぐ、モノをつなぐ、技術をつなぐ」を、国内外グループ約3,500名へ浸透させることを目的に、ヒアリング調査からキービジュアル開発、ポスター・PC起動画面・アクリルスタンド制作までを実施。M&Aによって拡大したグループの一体感醸成と共通言語の形成に向けた、初期浸透フェーズの伴走支援を行いました。

背景
アルコニックス株式会社は、非鉄金属・電子材料・レアメタル・自動車部品などをグローバルに展開する素材系専門商社であり、従来の専門商社としての機能に加え、M&Aによってグループ入りした製造子会社の技術やノウハウを活用したソリューション提供へと事業領域を拡大してきました。
近年では半導体、モビリティ(EV等)、次世代エネルギー分野を成長領域と位置付け、グループ従業員数も約3,000名規模へと成長していました。
一方で、事業領域や企業文化が異なる会社がグループ内に増えたことで、
- アルコニックスグループとしての共通認識が形成しづらい
- グループ間で価値観や行動基準にばらつきが生じる
- 「アルコニックスらしさ」が見えにくくなる
といった課題が顕在化していました。
こうした背景から、2025年に長期経営計画とともに新たに策定されたパーパス
「どこかにいる、だれかの未来のために」
およびビジョン
「ヒトをつなぐ、モノをつなぐ、技術をつなぐ」
を、グループ全体の共通言語として定着させる必要がありました。
課題
プロジェクト開始時点では、パーパス・ビジョンの認知度や理解度にばらつきがあり、社員によって受け止め方も異なる状況でした。
また、役員・社員ヒアリングを通じて、
- 「困ったときに立ち返る場所」
- 「グループの旗印」
- 「Our Credoのような存在」
として期待されている一方で、
- 日常業務との接続が見えづらい
- グループ会社間で共有される機会が少ない
- 言葉として存在していても実感が伴わない
という課題も明らかになりました。
さらにインナーブランディングにおいては、
1. 共感の壁
「なぜ必要なのか」が腹落ちしていない
2. 具体化の壁
何を行動すれば良いか分からない
3. 継続の壁
行動しても成果や意義を実感できない
という3つの壁が存在することが知られています。今回のプロジェクトでは、まず最初のステップとして「認知・共有フェーズ」の強化を重視しました。
取り組み概要
1. パーパス・ビジョンの再解釈
まずは役員・社員ヒアリングを実施し、パーパス・ビジョンに込められた想いや期待を整理。
その結果、PVの役割を単なる「理念」ではなく、
グループ全体が同じ方向を向くための“よりどころ”
として再定義しました。
2. 浸透プロセス設計
浸透施策は一足飛びに行動変容を目指すのではなく、
認知 → 理解 → 共感 → 行動
という段階的な浸透モデルに沿って設計。
今回の施策では、
- まず知ってもらう
- 日常的に目に触れる
- 自分との関係性を感じてもらう
ことを優先し、
「どこかで見たことがある」
状態をつくることを目標に設定しました。
3. キービジュアル開発
プロジェクトの核となったのがキービジュアル開発です。
ヒアリングを通じて抽出されたキーワードは、
「つなぐ」
でした。
アルコニックスの事業は、人・モノ・技術を結び付けながら、社会の見えない部分を支えています。
そこで、
- コーポレートカラー
- 金属・素材企業らしい質感
- 温かみや人とのつながり
を融合したデザインコンセプトを策定。
最終的には、
「未来に、つなげっ!」
というコピーを採用。
社員一人ひとりの仕事が、未来の誰かの豊かさにつながっていることを直感的に伝えるビジュアル表現を開発しました。
4. 社内接点の最大化
認知機会を増やすため、以下のツールを制作しました。
キービジュアル
浸透施策全体の象徴となるビジュアルを制作
グループ会社向けポスター
国内外グループ会社への掲出を想定したポスター展開
PC起動画面
日常業務の中で自然にPVへ接触できる環境を整備
卓上アクリルスタンド
ミーティングスペースや受付付近に設置することを前提とし、継続的に接触できるツールとして設計
これにより、「特別な研修」ではなく「日常接点」で浸透を促進する仕組みを構築しました。
5. 浸透度調査と次フェーズ設計
従業員アンケートはアルコニックス様主体で実施。
結果分析を通じて、
- 認知段階
- 理解段階
- 共感段階
- 行動段階
の現在地を整理しました。
そのうえで、
- ワークショップ
- タウンホールミーティング
- 社内報連動
- アンバサダー制度
- 実践事例共有
など、次フェーズ施策の方向性を提言しました。
成果
本プロジェクトを通じて、アルコニックスグループにおけるパーパス・ビジョン浸透の第一歩を実現しました。
主な成果
- グループ共通のキービジュアルを開発
- 国内外グループ会社へ展開可能なコミュニケーション基盤を構築
- パーパス・ビジョンを「理念」から「よりどころ」へ再定義
- 浸透プロセスの現在地を可視化
- 次フェーズ施策へのロードマップを整理
特に、
「未来に、つなげっ!」
というメッセージは、素材や部品など目に見えにくい価値を扱うアルコニックスグループの仕事の意義を、社員が実感できる象徴的な表現として機能しました。
顧客の声
役員・社員ヒアリングでは、パーパス・ビジョンに対して次のような声が寄せられました。
「困ったときに立ち返る場所になってほしい」
「グループ全体を束ねる旗印として機能してほしい」
「Our Credoのような存在として根付かせたい」
これらの声からも、パーパス・ビジョンが単なる経営メッセージではなく、グループの一体感を支える共通言語として期待されていたことが分かります。
今後の展望
アルコニックスグループでは、今回開発したキービジュアルとコミュニケーション基盤を活用しながら、
- 社内イベント
- タウンホールミーティング
- ワークショップ
- 社内報連動
- 実践事例共有
などを展開予定です。
今後は、
「認知されている」
状態から、
「理解されている」
さらに、
「共感し、行動している」
状態へと進化させ、パーパス・ビジョンを企業文化として定着させていくフェーズへ移行していきます。



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